今回は色の「トーン」のお話です。
割と頻繁に聞く事はあっても、あまりピンとこない事がありませんか?
普段何気なく使っている「やさしいトーンでまとめて」とか、「もっと派手めなトーンで主張したらどうでしょう」という言葉。
感覚的に「やさしい雰囲気にしよう」と処理する事も大切ですが、もし相手が「ある色を指定」していて、「その色を使って」という意図で話していたらどうでしょう。
逆に、こちらが使いたい色を相手に伝える時にも「もっと派手なトーンで〜」なんて頼むことありませんか?
(まぁ、カラーコードを指定しても良いんですが…。)
そんな時に「トーン」を理解しておくと便利です。
トーンとは一体何か
この「トーン」、「色調」と訳されます。
簡単に言うと「雰囲気でまとめた色のグループ」です。
あるいは「色のイメージのジャンル」と言った方が把握しやすいでしょうか。
ファッションで例えるなら「アメカジ」とか「ミリタリー」「フォーマル」という感じです。
トップスとボトムスをこう「組み合わせる」と「アメカジ」の出来上がり!といった具合に。
色の場合、組み合わせるのは「明度」と「彩度」です。
※明度と彩度については下記の記事で説明しています。
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組み合わせて出来た色を「雰囲気ごとにグループ化」したものを「トーン」と呼びます。
そのトーンのグループを「ペールトーン」や「ブライトトーン」、「ビビッド(vivid)トーン」というように名付け、ジャンル分けをしています。
そしてそのグループの中には、そのジャンルに属した色が並んでいるという訳です。
トーンを理解する事でできる事
もしあなたが色を指定する際、どちらが伝わりやすいでしょうか。
この色、もう少しやさしくしたパターンを2つ作成してください
この色をソフトトーンで2パターン作成してください
あるいは相手からデザインの方向性を聞き出す際にはどうでしょう。
- 陽気な夏をイメージされているということですが、どのような色をイメージされていますか?
- 陽気な夏をイメージをされているということで、「ブライトトーン」が適していると思いますが、どの色をご希望ですか?
1の聞き方では感覚的に方向性を聞き出そうとしているため、「もう少し明るく〜」とか「もっと強めで〜」という回答が返ってくるでしょう。
2であれば「もう少し明るく」といった場合には明るいトーングループを、「強め」であればもう少し強めのトーングループを具体的に提示することでスムーズに進むでしょう。
トーンのジャンル一覧
トーンは12種類あり、それぞれイメージがあります。
イメージを抑えておくと、デザインの際の打ち合わせ時などがスムーズです。
ひとつずつご紹介いたします。
ペールトーン
「薄い色調」です。
持っているイメージは、薄い、軽い、あっさりした、弱い、女性的、若々しい、優しい、淡い、かわいい、です。
ライトグレイッシュトーン
「明るい灰みの」という意味のトーンです。
イメージは落ち着いた、渋い、おとなしいトーンです。
グレイッシュトーン
文字通り灰みのかかったトーンです。
濁った、地味なイメージを持っています。
ダークグレイッシュトーン
暗くて灰みのかかったトーンです。
陰気な重い、固い、男性的なトーンです。
ライトトーン
浅い、または軽いと形容されるトーンです。
澄んだ、子供っぽい、さわやかな、楽しいというイメージのトーンです。
ソフトトーン
「ソフト=柔らかい」トーンです。
柔らかな、穏やかな、ぼんやりしたイメージのトーンです。
ダルトーン
ダル…聞きなれない言葉ですが、「鈍い」という意味です。
くすんだ、中間色的なイメージのトーンです。
ダークトーン
暗い色調です。
暗い、大人っぽい、丈夫な、円熟した、といったイメージを持っています。
ブライトトーン
ブライトは明るいという意味です。
「ブライトレッド」や「ブライトイエロー」など、耳なじみがあるかもしれません。
明るい、健康的な、陽気な、華やかな、というイメージです。
ストロングトーン
「強い」という言葉を冠したトーンです。
強い、くどい、動的な、情熱的なといったイメージを持っています。
ディープトーン
深い暗めの色調です。
深い、濃い、充実した、伝統的な、和風の、といったイメージです。
ビビッドトーン
冴えた色調で、目をひく色相が特徴のトーンです。
鮮やかな、派手な、目立つ、活き活きした、というイメージを持っています。
終わりに
いかがでしょうか。
今回は「トーン」について解説しました。
お役に立てれば幸いです。